研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

稀な疾患を調べる新生児採血は有害性の方が高いかもしれない

Association between use of systematic reviews and national policy recommendations on screening newborn babies for rare diseases: systematic review and meta-analysis.

Taylor-Phillips S,et al. BMJ. 2018.


【目的】

新生児血液スポット検査を使用してまれな疾患をスクリーニングするかどうかの推奨事項が国際的に違いがあることを、システマティックレビューの使用で、部分的に説明できるかどうかを理解すること。


【デザイン】

ステマティックレビューとメタアナリシス。


【データソース】

26の全国スクリーニング機関のウェブサイト検索。


【研究選択のための基準】

新生児血液スポット検査を使用して何らかの状態をスクリーニングするかどうか触れた、ジャーナル記事、論文、法的文書、プレゼンテーション、会議の要約、または全国勧告に関するレポートを対象とした。日付や言語に制限はつけなかった。


【除外したデータ】

2人のレビューアが独立して、システマティックレビューが含まれているか、試験データが正確か、早期発見の利点はあるか、および過剰診断の潜在的な害に関するデータを含んでいるかどうかを元に、スクリーニングを推奨しているのか推奨していないのか評価した。

 

【分析】

ステマティックレビューの結果としてスクリーニングを推奨する結論に至った確率について、複数の研究にまたがるメタ分析によって推定された。


【結果】

14か国の104の研究を評価した93のレポートが含まれ、合計276の提唱(分析単位)が含まれていた。スクリーニングは159(58%)で推奨され、98(36%)では推奨されず、19(7%)ではどちらとも言えないとされた。システマティックレビューが含まれた提唱は60(22%)だけだった。システマティックレビューが含まれた研究では、スクリーニングが推奨される確率の低下した(23/60(38%)vs136/216(63%)、オッズ比0.17、95%信頼区間0.07〜0.43)。スクリーニングを推奨する研究では、試験の正確さ、早​​期発見の利点、および過剰診断に関しては、それぞれ115(42%)、83(30%)、211(76%)で考慮していなかった。


【結論】

ステマティックレビューの手法を使用すると、スクリーニングが推奨される可能性が低くなる。新生児血液スポット検査を使用してまれな疾患のスクリーニングを実施する国家政策の大部分では、スクリーニングの主な利点と有害性に関する証拠を評価できていない。