虐待は介入すればなくなるってもんじゃない
Interventions to Prevent Child Maltreatment: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement.
US Preventive Services Task Force,JAMA. 2018.
【テーマ】
2016年、アメリカにおいて約676000人の子供達が非道処遇(虐待や無視放置)を受け、その内の75%が無視放置を経験し、18%が身体的虐待を経験し、8%が性的虐待を経験している。おおよそ14%の子供は複数種類の虐待を経験し、非道処遇のせいで1700人もの子供が死んでいる。
【目的】
子供を非道処遇から守るためのプライマリケアにおける介入方法について、米国予防医療サービス専門作業部会USPSTFの2013年勧告をアップデートすること。
【エビデンスの見直し】
非道処遇のサインや徴候を見せなかった子供や青年に対する、非道処遇を防ぐプライマリケア介入についてエビデンスを見直すようにUSPSTFは依頼した。
【結果】
USPSTFは家庭訪問プログラムも含めたプライマリケア介入が、子供への非道処遇を防止するというメリットについて、限定され、そして矛盾した証拠しか見つけることが出来なかった。一方で、そのような介入がむしろ害になっているという証拠も見つけられなかった。子供への非道処遇を防ぐことにおいて、プライマリケア介入の利益と害のバランスを評価するに足る証拠の存在は不十分であるとUSPSTFは結論づけた。これらの介入がどれだけの利益または害をもたらすのか、その確実性の水準は低い。
【まとめ】
プライマリケア介入の子供に対する非道処遇を防ぐ効果は、それがもたらす利益と害のバランスを評価するに足る最近の証拠がないとUSPSTFは結論づけた。