研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

ロタウイルスワクチン接種は重篤な胃腸炎を防止する!

Human Neonatal Rotavirus Vaccine (RV3-BB) to Target Rotavirus from Birth.

Randomized controlled trial

Bines JE,et al. N Engl J Med. 2018.


【背景】

出生時に新生児ロタウイルスワクチンを投与してロタウイルス腸炎の早期予防を目標とする戦略は、ロタウイルスワクチンの世界的な接種に関するいくつかの障壁を処理できる可能性がある。


【方法】

ロタウイルス腸炎の予防における経口ヒト新生児ロタウイルスワクチン(RV3-BB)の有効性を評価するために、インドネシアで無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。健康な新生児に対して、新生児スケジュール(0〜5日、8週目、および14週目)または幼児スケジュール(8週目、14週目、および18週目)に従ってRV3-BBを3回投与するか、プラセボに割付られた。一次解析は、評価のために十分な期間経った時点でワクチンまたはプラセボを4回すべてを受けた参加者のみを含むper-protocolの母集団で実施され、二次解析は、無作為化を受けたすべての参加者を含むintention-to-treatの母集団に対して行われた。


【結果】

per-protocolの集団1513人のうち、18か月までに重度のロタウイルス腸炎になったのは、プラセボ群の参加者(504人の赤ちゃんのうち28人)の5.6%、新生児スケジュール型ワクチン群の1.4%(7/498)、幼児スケジュール型ワクチングループの2.7%(14/511)だった。この結果から、新生児スケジュール群(P <0.001)で75%(95%信頼区間44〜91)、幼児スケジュール群(P = 0.03)で51%(95%信頼区間7〜76)、新生児スケジュールと幼児スケジュールグループの組み合わせ群(混合ワクチングループ)(P <0.001)で63%(95%信頼区間34〜80)のワクチン効果が得られた。同様の結果がintention-to-treat分析でも観察された(対象者1649人)。ワクチンの有効性は、新生児スケジュール群(P = 0.001)で68%(95%信頼区間35〜86)、幼児スケジュール群(P = 0.02)で52%(95%信頼区間11〜76)、混合ワクチン群(P <0.001)では60%(95%信頼区間31〜76)だった。血清免疫反応または便中のRV3-BBの排出によって証明されるワクチンへの反応は、新生児スケジュール群では83人中78人(94%)、乳児スケジュール群では83人中84人(99%)だった。有害事象の発生率はグループ間で大きな差はなかった。ワクチンまたはプラセボの投与後21日間のリスク期間内に腸重積のエピソードは発生せず、乳児スケジュール群で3回目のワクチン接種の114日後に重積のエピソードが1回発生した。


【結論】

RV3-BBは、インドネシアの新生児または乳児のスケジュールに従って投与された場合、重度のロタウイルス腸炎の予防に有効だった。