下痢の発生件数は地域ごとに偏りがある
Variation in Childhood Diarrheal Morbidity and Mortality in Africa, 2000-2015.
Reiner RC Jr,et al. N Engl J Med. 2018.
【背景】
下痢性疾患は、アフリカの5歳未満の子供の病気と死の3番目の主要原因であり、推定3,000万人の重度の下痢(95%信頼間隔2700万から3300万)によって引き起こされ、2015年には33万人が死亡した(95%信頼間隔270,000〜380,000)。この問題に対処するためのターゲットを絞ったアプローチの開発が、下痢に関連する疾患と死亡の包括的かつ詳細な推定が、国家間および国内で不足しているために妨げられている。
【方法】
2000年から2015年にかけてのアフリカにおいて、地理的に細かいごとに、下痢の有病率とそれに伴う死亡に関して、年ごとの値を計算した。計算はベイジアン地球統計学的手法を元に行われ、「世界の疾病負担研究とリスクファクター研究」の結果によって比較校正された。
【結果】
研究結果は、アフリカの下痢リスクに関する地理的不平等を明らかにした。2015年に下痢に起因すると推定される330,000人の小児死亡のうち、50%以上が782の第一級行政区画(州など)の中の、55領域で発生していた。2015年、ナイジェリアの第一級行政区画の死亡率は最大6倍まで異なった。症例の死亡率はアフリカ全体の国レベルで大きく異なり、最高値はベニン、レソト、マリ、ナイジェリア、およびシエラレオネで観察された。
【結論】
私たちの調査結果は、継続して高い負担を抱えている国と同様に、下痢の負担が国レベルでかなり減少している国でも、下痢性疾患と下痢に関連した死亡が集中している領域があることを示した。