研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

結核治療でイソニアジドもリファンピンも治療成績に大差ないがリファンピンの方がアドヒアランスは良い

Safety and Side Effects of Rifampin versus Isoniazid in Children.

Randomized controlled trial

Diallo T,et al. N Engl J Med. 2018.


【背景】

Mycobacterium tuberculosisによる潜在感染の治療は、重篤結核疾患に対する脆弱性があるため、子供にとって重要です。現在の標準治療であるイソニアジドの9か月投与は、内服アドヒアランスの悪さや副作用の関係で、薬の有効性が妨げられている。成人では、イソニアジドの9か月投与よりも、リファンピンの4か月投与治療の方が安全であり、完了率が高いことが示されている。


【方法】

この多施設非盲検試験では、潜伏性結核感染症の844人の子供(18歳未満)をランダムに、4か月のリファンピン投与または9か月のイソニアジド投与に割り付けた。主要評価項目はグレード1から5の有害事象であり、試験薬の永久中止に至った。副次評価項目は、治療アドヒアランス、副作用情報、および有効性とした。試験グループの割り当てを知らないメンバーで構成される独立した審査委員会は、すべての有害事象と活動性結核への進行した症例を裁定した。


【結果】

ランダム化を受けた子供のうち、829人が修正ITT分析に含めるのに適格だった。イソニアジド群の407人中311人(76.4%)がper-protocol治療を完遂したのに対して、リファンピン群では422人中360人(85.3%)が治療を完了した(治療完了率の調整された差13.4%;95%信頼区間7.5〜19.3)。有害事象の発生率に有意なグループ間差はなく、試験薬に関連すると考えられるグレード1または2の有害事象の子供は、合わせても5%未満だった。イソニアジド耐性であった1症例を含めて、活動性結核はイソニアジド群ではフォローアップで542人年中2人である一方で、562人のリファンピン群ではゼロだった(率の差:100人年あたり-0.37症例、95%信頼区間-0.88〜0.14)。


【結論】

18歳未満の子供では、4か月のリファンピンでの治療は、安全性と有効性がイソニアジドでの9か月の治療と同程度だったが、アドヒアランスのレートは優れていた。