研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

妊娠中の魚油の摂取は子供の体を大きくする

Effect of fish oil supplementation in pregnancy on bone, lean, and fat mass at six years: randomised clinical trial.

Randomized controlled trial

Vinding RK,et al. BMJ. 2018.


【背景】

妊娠中のn-3長鎖多価不飽和脂肪酸(n-3 LCPUFA)の補充が、子供の形態および組成に及ぼす影響を調べる。


【デザイン】

二重盲検、ランダム化比較試験。


【セッティング】

Childhood2010コホートにおける、喘息に関するコペンハーゲン前向き研究。


【参加者】

736人の妊婦とその子供。


【介入】

n-3 LCPUFA(魚油)またはコントロール(オリーブ油)を妊娠24週から出生後1週まで毎日摂ってもらう。


【主要評価項目】

DXA法(二重エネルギーx線吸収法)による身長/身長、体重、頭、腰の測定値と体組成(n-3 LCPUFA試​​験において事前に指定された二次エンドポイントにおいて全て測定;主要評価項目は持続性喘鳴/喘息だった)。


【結果】

平均ボディマス指数BMI)zスコアは、0歳から6歳の間で、対照群と比較して魚油補給群で増加した(0.14 (95%信頼区間0.04〜0.23);P=0.006)。6歳の時点での測定で、補充を実施した群は、BMI zスコアはより高く(0.19(0.06〜0.32);P = 0.004)、体重/身長もより高く(3.48(0.38から6.57)g/cm;P = 0.03)、腰囲もより大きかった(0.6(0.0〜1.2)cm;P = 0.04)が、国際肥満タスクフォースの等級における肥満の子供の割合は高くなかった。6歳時点での二重エネルギーX線吸収測定スキャンを用いた測定では、対照群と比較してサプリメント群では、体重が重かった(395.4(86.6〜704.3)g;P = 0.01)。このことは、筋肉量が多く(280.7(98.9〜462.4)g;P = 0.002)、骨ミネラル含量が高く(10.3(2.3〜18.1)g;P = 0.01)、脂肪量は有意に高くない(116.3(-92.9から325.5)g;P = 0.28)ことから説明される。しかし、体脂肪また筋肉の体重に占める割合に違いは見られなかった。


【結論】

妊娠24週目からの魚油補給は、0歳から6歳までの子供のBMIの増加をもたらしたが、6歳時での肥満リスクの増加はなかった。魚油サプリメントを与えられた子供の6歳での体組成は、筋肉、骨、および脂肪量の比例的な増加によって特徴付けられ、これはn-3 LCPUFAの全般的な成長刺激効果を示唆した。