研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

採血の話①

基本的に採血されるのは誰でも嫌であると思う。私自身が子供の時(そして今でも)、採血は痛みを伴う以上、しなくて良いなら避けたいものである。

ただ、視点を変えて採血する側に回ったときに、採血に対する思いとはどのようなものなのか文章に起こしてみたい。

 


【そもそも採血するのってどういう時?】

当然痛みを伴う処置であるから、採血は出来る限り控えてあげたいと考える。ましてや、医師自身が採血する場合もあるわけで、失敗したらどうしよう、と内心少し心配になりながら採血するわけである。つまり、病院で採血しましょうと言われたときは、採血しないことのリスクと、採血に伴う痛みや病気を見逃すリスクを天秤にかけ、採血した方が良いだろうと判断されたということである。

 


【採血すれば何でも分かる!?】

採血検査と聞くとどんな病気でも分かりそうな気がする。しかし、実際のところ採血から得られる情報は救急外来レベルでは必ずしも多くない(偉い先生方からお叱りを受けそうな発言である)。少なくとも、自分が患者の時は、採血結果を踏まえて外来処方薬の種類を決めたりするのだろうなどと考えていたが、ほぼほぼそのようなことはない。なぜなら医療において最も重要なのは臨床所見であり、薬も臨床所見を踏まえて決定することがほとんどだからだ。「採血結果は悪いけど平熱なおじいさん」と「採血結果は大丈夫そうだけど発熱しているおじいさん」どちらに解熱剤を処方するか考えれば、当然後者であろう。つまり、採血結果は臨床所見を補完するために過ぎないのであり、実際のところ採血検査だけで診断がつく病気はごくわずかである。

 

次回に続く