研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

夜勤や悪い食生活は2型糖尿病を増加させる

Rotating night shift work and adherence to unhealthy lifestyle in predicting risk of type 2 diabetes: results from two large US cohorts of female nurses.

Shan Z,et al. BMJ. 2018.


【テーマ】

夜シフトの仕事や夜型ライフスタイルの期間と2型糖尿病のリスクとの関係について、将来を見越して評価し、夜シフトの仕事のみ行なっているときと、夜型ライフスタイルのみのとき、そしてその2つの相互作用について定量的に分解すること。


【デザイン】

前向きコホート研究


【研究対象】

看護師健康研究(1988-2012)、看護師健康研究II(1991-2013)


【研究状況】

143410人の2型糖尿病がなく、心血管病変がなく、癌がない女性


【介入】

日中や夕方のシフトがある月に、追加で一月あたり少なくとも3回の夜シフトがある場合を、夜シフトローテーションの仕事と定義した。不健康なライフスタイルとしては、現時点での喫煙や強負荷の運動を1日あたり30分以下しかやらないこと、食事の質を測る代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index)で食事が下から5分の3に入っていること、BMIが25以上であることを含めた。


【Main Outcome】

2型糖尿病が発覚したことを自己報告したケースと、補足アンケートで2型糖尿病が確認されたケース。


【結果】

22-24歳の間でフォローアップを行った結果、10915人で2型糖尿病が発症した。夜シフトローテーションの仕事5年ごとに、2型糖尿病の多変量ハザード比は1.31(95% 信頼区間1.19〜1.44)となり、また、不健康なライフスタイル(喫煙、食事の質が悪い、運動しない、体重過多・肥満)によって2.30(1.88〜2.83)となった。夜シフトローテーションの仕事の5年ごとの増加に加えて不健康なライフスタイルが存在する時の2型糖尿病は、バザード比2.83 (2.15〜3.73)であり、相加的な関係にあった(P <0.001).参加した人の中では、夜シフトローテーションだけの人は17.1% (14.0%〜20.8%)、不健康なライフスタイルだけの人は71.2% (66.9%〜75.8%)、両者の複合は11.3% (7.3%〜17.3%)だった。

 

【まとめ】

女性看護師の間では、夜シフトローテーションと不健康な生活は2型糖尿病のリスクを高めることにつながった。夜シフトローテーションと不健康な生活が合わさると、それぞれ個別の要素によってもたらされるよりも、高いリスク増加となった。多くのケースで、健康的な食事を守ることで2型糖尿病を防ぐことができ、その利益は夜シフトローテーションの人でより高いことが提唱された。