研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

地域枠の利点・欠点

地域枠に関しては、多くのまとめサイトで、その利点・欠点が挙げられている。特定の地域から離れることができないなど、良くある話は十二分にまとめられていることから、個人的に(医療従事者が周りにいない環境から)医者になってから、地域枠であることで感じた利点について、異なる視点からまとめてみたいと思う。

利点

①医局人事に縛られにくくなる

一般的に大学医局は様々な地域に関連病院を持ち、その病院に医局員を派遣している。特に大都市圏にある大学では、都道府県の境を越えて関連病院を持っていることが少なくなく、突如として勤務地が遠く離れた地へ変更になることも珍しくない。しかし、地域枠とい縛りのもとでは、指定の地域から離れることは当然許されない。医局人事であろうとも、指定地域に含まれない病院は100%異動することはないわけで、一般的な医局員よりは勤務地の変更に予想がつきやすい。

②就職しやすい!?

基本的に地域枠の医師は、前述①のような理由で動かしにくい人材であり、一般的には採用されにくい印象がある。しかし、実際に就職活動をしてみると、実態はやや異なっている。地域枠で入学している以上、その地域から出ることができない状態に置かれていることは、当然採用する病院側も理解している。もし病院側が採用しなかった際には「地域に残ろうとしたのに断られた」という状態が生まれるわけであり、裏を返せば基本的に採用しないという状況は地域枠の存在意義を失わせることとなる。どうやら病院側も地域枠の不採用には考えるところがあるようで、仮に人気病院であっても考慮される要素となることもあるようだ。