研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

今後の抗生剤使用は複数薬併用

Antibiotic combinations that exploit heteroresistance to multiple drugs effectively control infection.

Band VI,et al. Nat Microbiol. 2019.

(原文英語が難しく、内容が一部間違っている可能性が高い)


【概要】

抗生剤耐性菌は人類の健康に対する明らかな脅威であり、2050年までに癌による死亡を追い抜いて、全世界で1年に1千万人が死亡するという試算も提示されている。これは新たな抗生剤が開発されるのに10年かそれ以上の時間がかかるからであり、現時点で使用可能な薬を有効に使用することが肝要である。抗生物質の併用療法は、耐性の高い細菌感染症の治療に有望だが、そのようなレジメンの独立した有効性を決定づける要因は不明のままである。独断的な意見では、抗生剤は単剤では効果がなく、コンビネーション下で有効であると思われる。カルバペネム耐性の腸内細菌(CRE)を臨床的に同定することで、私たちは大部分の菌に有効な抗生剤の組み合わせという基礎が根底にあることで、特異な耐性をもつ菌が現れることを明らかにした。多剤耐性菌が異なる種類の、細胞の一部分のみが表現型的に抵抗性である抗生剤に対して抵抗性を持つメカニズムはよく理解されていない。分離株の中に異なる抗生剤に抵抗性のある集団が明確に存在し、88%以上のCREが複数の抗生剤に対する特異耐性を示した(多剤特異耐性)。多剤特異耐性菌をターゲットとした組み合わせは有効である一方で、同一種抗生剤の耐性をもつ菌のみをターゲットとした組み合わせは有効ではない。既存の抗生物質を使用し、すぐに臨床的に実施できる効果的な組み合わせを特定するための合理的な戦略にスポットを当てることで、2剤耐性クレブシエラ菌は、多剤特異耐性菌をターゲットとした組み合わせによって根絶された。