研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

小さい頃太っていた人は成長しても太っている…

Acceleration of BMI in Early Childhood and Risk of Sustained Obesity.

Geserick M,et al. N Engl J Med. 2018.


【背景】

生まれてから青年期にかけてのBMIの推移ははっきりせず、持続する肥満が発生しやすい子供における特定の年齢があるのかどうかが重要な判断材料となる。


【デザイン】

肥満が始まった時点を調査した。0-14歳の子供および15-18歳の青年で連続的に身体測定をしているデータが使用可能な51505人の子供を対象ベースとして、前向きと後ろ向きに時間経過と共にBMIがどのように推移したか分析した。加えて、34196人の子供で、一年毎のBMI増加の動きについても、毎年のBMI標準偏差値の変化を基準として評価した。


【結果】

後ろ向きの分析によると、多くの普通のMBIの青少年は子供時代を通じて普通の体重であることが分かった。太った青少年おおよそ半分(53%)は5歳以降、体重過多か肥満であり、BMI標準偏差は年齢と共にさらに増加した。前向きな分析では、3歳の時に体重過多か肥満であった子供の内90%は青年期も体重過多か肥満であることが分かった。青年期に肥満である人は、2-6歳の間でBMIの増加に強い加速がかかり、その後BMI値にさらなる上昇を来す。学校に入学前(学校へいく年齢は除く)の年々のBMIの急激な上昇は、青年期の体重過多や肥満のリスクを、普通のBMIの子と比較して1.4倍にすることがわかった。体重過多と肥満の青少年の割合は、出生時標準体重よりも大きい場合(43.7%)の方が、出生時体重が適正だった場合(28.4%)や、出生時体重が小さめだった場合(27.2%)よりも高く、それは青年期に大きめであった人は他の人達と比較して青年期の肥満リスクが1.55倍高いことと一致している。

 

【まとめ】

肥満の青年において、最も体重増加が速かったのは2-6歳の間で、その時期に肥満であったほとんどの子供は青年期においても肥満であった。