研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

熱性けいれんにアセトアミノフェンを使おう!

Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode.

Randomized controlled trial

Murata S,et al. Pediatrics. 2018.


【目的】

熱性けいれんに対してアセトアミノフェンを使用することの安全性と、同一発熱エピソード内での熱性けいれんの再発予防に有効性があるか評価すること。


【方法】

単施設、前向き、非盲検化、ランダム化比較試験で、熱性けいれんの子供や乳児(年齢6-60ヶ月)で我々の病院に2015年5月1日から2017年4月30日に受診した人を対象とした。アセトアミノフェン(10 mg/kg)を最初のけいれんから(もし38度以上の熱が残っていれば)6時間おき24時間に投与する群と、解熱剤を使用しない群で、再発率を比較したすることで、アセトアミノフェンの効果を評価した。コントロール群にプラセボ薬は投与しなかった。主要評価項目は熱性けいれんの同一発熱エピソード内での再発とした。


【結果】

私たちは423人の患者を評価し、219人を直腸へのアセトアミノフェン投与群へ割り付け、204人を解熱剤不使用群に割り付けた。この単変量解析によって、熱性けいれんの再発率は、解熱剤不使用群(23.5%;P < .001)と比較して、直腸へのアセトアミノフェン投与群において、明らかに低下した(9.1%)ことが分かった。最終的な多重ロジスティック回帰分析における変数の間では、直腸アセトアミノフェン投与は同一発熱エピソード内での熱性けいれん再発を予防するのに最も貢献した(オッズ比5.6、95%信頼区間2.3-13.3)。

 

【まとめ】

アセトアミノフェンは、熱性けいれんに対する安全な解熱剤であり、熱性けいれんの同一発熱エピソード内での再発を予防する効果がある。