研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

ネーザルハイフローはCPAPに劣る

Nasal High-Flow Therapy for Newborn Infants in Special Care Nurseries.

Randomized controlled trial

Manley BJ,et al. N Engl J Med. 2019.


【テーマ】

新生児にたいする酸素投与法において、ネーザルハイフローはCPAPにかわる呼吸器サポートである。ネーザルハイフローの重症ではない特別看護を受けている患児での効能は明らかではない。


【デザイン】【研究対象】

オーストラリアで特別看護を受けている、産まれてから24時間以内で在胎週数31週以上の子供を含む、多施設、ランダム化、非劣勢試験を実施した。新生児で呼吸器に問題を抱えていて、出生時の体重が少なくとも1200gある児をネーザルハイフローかCPAPに割り付けた。最初の判断点はランダム割付された後、72時間以内の治療不応とした。ネーザルハイフローで上手くいかなかった患者はCPAP治療が行われた。非劣勢であることは、最初の判断点の時点での結果に純然なる差がつかないこと(10%以上の差が出ないこと)とした。


【Main Outcome】

合計754人の子供(平均在胎週数36.9週、平均出生体重2909g)がITT分析(最初に割り付けられた群のまま、治療を変更した人もそのまま解析)に含まれた。ネーザルハイフロー群では381人中78人(20.5%)、CPAP群では373人中38人(10.2%)が治療不応であった。per-protocol分析(治療を完遂した人のみ解析)ではネーザルハイフロー群では339人中49人(14.5%)、CPAP群では338人中27人(8.0%)が治療不応であった。人工呼吸器管理への移行率や新生児3次医療施設への搬送の発生率、その他の有害事象の発生率は両群の間で明らかな差はなかった。


【結果】【まとめ】

ネーザルハイフローはCPAPと比較して非劣勢を示せず、重度の看護ケアを必要とはしないものの呼吸器に問題を抱える新生児に早期の呼吸器サポートとして使用するとき、治療失敗の発生率上昇をもたらした。