胃腸炎の子供にLGG乳酸菌飲ませても意味ない…
Lactobacillus rhamnosus GG versus Placebo for Acute Gastroenteritis in Children.
Randomized controlled trial
Schnadower D,et al. N Engl J Med. 2018.
【背景】
アメリカでは毎年数百人の急性胃腸炎の子供がいて、腸内有用菌で治療されるのが一般的だ。しかしながら、このような人々に腸内有用菌を使うことを支持するデータは限られている。
【方法】
3ヶ月から4歳までの急性胃腸炎で10のアメリカ小児救急医療施設を受診した子供を対象とした前向きランダム化二重盲検を実施した。参加者は5日間のラクトバチルスラムノーサスGG 株を1×10^10個を1日2回摂取する群とプラセボ群に分けられた。フォローアップの調査は5日間は毎日実施し、登録されてから14日目で再度チェックを受け、1ヶ月後にもチェックを受けた。主要評価項目は登録から14日間以内で修正Vesikariスケールで9点より高い点数(スコアは0〜20点での評価で数字が大きいほど重症)であった、中等度から重度の消化管炎症の病気エピソードがあることとした。副次評価項目は下痢と嘔吐の長さ、昼間保育の欠席期間、家族への伝染率(元々は無症状であった家族の接触者が消化管炎症の症状が出たことを定義とする)とした。
【結果】
971人の患者の内、943人(97.1%)が試験を完遂した。平均年齢は1.4歳(四分位範囲0.9-2.3)であり、513人(52.9%)が男性だった。登録から14日目の時点で修正Vesikariスケールが9点よりも高かったのは、ラクトバチルス投与群で475人中55人(11.8%)で、プラセボ群では475人中60人(12.6%)だった(相対危険度0.96;95%信頼区間0.68〜1.35;P=0.83)。ラクトバチルス投与群とプラセボ群の間で、下痢の期間に明らかな差は認められず(平均でラクトバチルス群は49.7時間、プラセボ群では50.9時間だった;P=0.26)、嘔吐期間にも差は認められず(平均で両軍とも0時間だった;P=0.17)、昼間保育の欠席期間にも差は認められず(平均で両軍とも2日間だった;P=0.67)、家庭内伝染でも差を認めなかった(それぞれ10.6%と14.1% だった;P=0.16)。
【まとめ】