研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

CADISはアトピー性皮膚炎によるQOLの変化を鋭敏に検出できる

Evaluation of responsiveness and estimation of smallest detectable change (SDC) and minimal important change (MIC) scores for the Childhood Atopic Dermatitis Impact Scale.

Gabes M,et al. Br J Dermatol. 2019.


【背景】

子供アトピー性皮膚炎インパクトスケール(CADIS)は、小さい子供たちとその親がアトピー性皮膚炎(AD)からQOLにどの程度影響を受けているかを計測する手段である。


【目的】

CADISの反応性(変化に対する感度)として、最小探知変化度(SDC)と最小重要変化度(MIC)を評価することを目的とした。


【方法】

300人の子供の両親と主介護者が、ベースライン時点と4週間後のフォローアップ時にCADISと、子供の皮膚状態の全般評価を完遂した。クラスカル・ワリス検定、ウィルコクソン検定、および効果量を活用して、反応性を評価した。SDCは、測定誤差を超える変化と捉えることができる。アンカーベース、ディストリビューションベース、および両方の方法の統合を使用して、MICを推定しました。


【結果】

270の家族がベースラインでのデータを提供し、228家族がフォローアップされた。CADISの全体を通してのスコア変化と、殆どの各分野のスコア変化は、皮膚状態の変化と中等度から強度の関係性があった。患者は、アンカーとして機能する皮膚変化スコアに従ってグループ分けされました。皮膚状態の改善に気をつけている両親のいる子供は、フォローアップ時に低いCADISスコアを示した(p < .001)。SDCについては、全体で1.32ポイントのスコア変化、各々の分野で1.0ポイント未満のスコア変化を得た。特定されたMICの値は全てSDCのカットオフラインをクリアした。

 

【結論】

CADISはQOLの改善への変化に敏感であった。全体のスコアや、各々の分野でのスコアが12%以上変化したときは、臨床的に重要な変化を表す可能性が非常に高い。