研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

外来はなぜ並ぶのか

病院の外来を受診すると待ち時間がかなり長いことが多々ある。自分が患者のときは、なぜこんなにも待ち時間が長くなるのか疑問であったが、自分が医療者側になると、その理由が分かってきた。

外来中に医師がやっている仕事は、患者さんの状態を確認する診察はもちろんであるが、その他にも以下のようなものがある。

①カルテ・処方箋の作成

問診をとりつつカルテを記載している訳だが、当然内容は殴り書きになりがちである。最近は患者さんの目を見て診察しない医師が問題となり、意図的にカルテ記載を後回しにすることもある。診察と並行してカルテが書けない以上、診察終了後、患者さんを診察室から出してから記載を進める必要がある。処方箋に関しても同じだ。

②紹介状・診断書作成

紹介状作っておきますね、などと軽く言うが、つまり紹介状とはこれまでの病歴をまとめた書類である。以前入試でよくやった文章要約を、数年場合によっては数十年の情報単位で実施することとなり、当然時間がかかる。大病院では数日後まで完成を待ってくれと言えるが、開業医では診察した当日に渡すこともあり、隙間時間でなんとか要約を作成することになるわけだ。

③患者さんの情報把握

診察・治療する以上、患者さんの今の状態を把握する必要がある。初診の患者さんは良いが、10数年同じ病院に通っている患者さんであったりすると、これまでどんな治療をしてきたのか、持病にはなにがあるのかなど、カルテを見返さないと流石に思い出せない。個々の患者さんに対して、この思い出し手順が求められ、必然的に次の患者さんを呼び込むまでに時間が必要なのだ。

 

できる限り早く診察したいのは医師も同じだが、なかなかそう簡単にはいかないのが現実である。