研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

肥満・男性、10歳以降の閉塞性無呼吸は成人になっても残存する

How OSA Evolves From Childhood to Young Adulthood: Natural History From a 10-Year Follow-up Study.

Chan KC,et al. Chest. 2019.


【背景】

自然の経過で発生した子供のOSAであるということが、病気の予後決定と、リスクの層別化・管理戦略を決定するのにどの程度助けになるのか理解する。


【方法】

自然発生の小児OSA、自然寛解するものと残存するものに関連する要素、子供から青年期後期/成人初期にかけてのOSA発生事例を評価するため、前向きのコミュニティをベースとした縦断コホート研究が設計された。OSA罹患率を調べる研究から作成されたコホートをもとに集められた人々が、10年間のフォローアップを受けた。


【結果】

243人の患者(男性59%)が参加し、平均年齢は9.3歳(SD,± 1.8)で、フォローアップのときは20.2歳(SD,± 1.9)だった。平均フォローアップ年数は10.4年(SD,± 1.1)であった。ベースライン時の対数変換閉塞性無呼吸指数(OAHI)と、フォローアップ時のOAHIの関係は年齢によって異なった。ベースラインの時点で10歳以上の時は両者に明らかな正の関係を認めた。全体的として睡眠ポリグラフ検査での寛解率(フォローアップ時に1時間あたりOAHI < 1)は子供のOSAの30%で、69%はフォローアップ時にも1時間あたりOAHI < 5であった。OSAの完全寛解率は女性であることと関係があった。フォローアップ時、OAHI ≥ 5 である思春期/成人のOSAは22%だった。男性であることや、ベースラインの時にBMIzスコアが高いことはOSAを引き起こしていた。


【結論】

OSAに罹患した子供の一部、特に女性の子供では、思春期後期や成人期初期で完全寛解した。小児期と青年期のOSAは別個の存在であり、後者は成人期まで持続する可能性が高くなる。肥満と男性であることは、OSAの一貫した重要なリスク要因である。