都市の規模が小さくなると重度肥満の人が増える
Differences in Obesity Prevalence by Demographics and Urbanization in US Children and Adolescents, 2013-2016.
Ogden CL,et al. JAMA. 2018.
【要点】
人口統計および都市化による小児肥満の違いが報告されている。
【目的】
人口統計および都市化による、米国の若者の肥満および重度の肥満に関するデータを提示することと、都市化による傾向を調査すること。
【デザイン】
2001年から2016年の国民健康栄養調査では、2〜19歳の若者の体重と身長を測定した。この調査は、連続的、横断的、民間による全国代表調査、非施設入所者を対象としていた。
【評価】
性別、年齢、人種、ヒスパニック系出身、世帯主の教育、都市化(大都市統計地域(人口100万人以上)
【Main Outcome】
2013-2016年のサブグループ別の肥満(BMIで米疾病対策予防センター[CDC]成長チャートの95パーセンタイル以上のケース)、および重度肥満(95パーセンタイルのBMIの120%以上のケース)。また、2001-2004から2013-2016にかけての期間での都市化の傾向。
【結果】
体重、身長、都市化に関する完全なデータは、6863人の子供・青少年の分が揃った(平均年齢11歳、女性49%)。2013-2016年にかけての2歳から19歳の若者において、肥満は17.8%(95%CI、16.1%-19.6%)、重度の肥満は5.8%(95%CI、4.8%-6.9%)の有病率だった。肥満の罹患率に関しては、大規模都市(17.1%[95%CI、14.9%-19.5%])、中または小規模都市(17.2%[95%CI、14.5%-20.2%])および非都市(21.7% [95% CI,16.1%-28.1%])の間では互いに有意な差はなかった(ペアワイズ比較の範囲P = .09-.96)。重度の肥満に関しては、非都市(9.4%[95%CI、5.7%-14.4%])の方が、大規模都市(5.1%[95%CI、4.1%-6.2%];P = .02)と比較して有意に割合が高かった。調整後の分析では、肥満と重度の肥満は、年齢が高く、世帯主の教育が低いほど顕著に増加し、重度の肥満は都市化のレベルが低いほど増加した。非ヒスパニック系白人青年と比較して、肥満および重度の肥満有病率は非ヒスパニック系黒人およびヒスパニック系青年の間で有意に高かった。肥満ではない重度の肥満に関しては、非ヒスパニック系白人の若者よりも非ヒスパニック系アジアの若者で有意に低かった。2001-2004年から2013-2016年までの都市化の程度と、肥満または重度肥満の有病率の間に、有意な線形または二次関数的関係性はなかった(P範囲= .07-.83)。
【結論】
2013-2016年では、年齢、人種、ヒスパニック系の起源、家庭教育の違いによって、肥満および重度の肥満の罹患率に差が出た。また、重度肥満の罹患は都市化と反比例の関係にあった。人口統計は、都市化の程度とは関係なかった。