研修医の備忘録

小児科を目指す医師のブログ。1日1abstractを目標に更新中。

小さい頃肥満でも7歳以降早い段階で減量できれば糖尿病のリスクを上げない

Change in Overweight from Childhood to Early Adulthood and Risk of Type 2 Diabetes.

Bjerregaard LG,et al. N Engl J Med. 2018.

 


【背景】

小児期の過体重は、成人期の2型糖尿病のリスク増加と関連している。成人期前の過体重の寛解がこのリスクを軽減するかどうかを調査した。


【方法】

私たちは、7歳と13歳、および成人期初期(17〜26歳)に体重と身長を測定した62,565人のデンマーク人男性に対し調査を実施した。過体重は、疾病管理予防センターの基準に従って定義した。2型糖尿病の状態に関するデータ(30歳以上、6710人)は、国民健康登録所から入手した。


【結果】

7歳時点での肥満(62,565人中3373人;5.4%)、13歳時点での肥満62,565人中3418人;5.5%)、または成人期初期での肥満(62,565人中5108人;8.2%)は、2型糖尿病のリスクと正の関連があった。関連は、年齢を重ねてからの肥満と若年での2型糖尿病の診断でより強かった。13歳より前に太りすぎが寛解した人は、肥満になったことがない人と比較して、30〜60歳で2型糖尿病と診断されるリスクに差がなかった(ハザード比、0.96、95%信頼区間0.75〜1.21)。今まで一度も肥満にならなかった人と比較して、7歳と13歳で太りすぎていたが、成人期初期では肥満ではなくなった人では、2型糖尿病のリスクが高かった(ハザード比1.47、95%信頼区間1.10〜1.98)。しかし、それらのリスクは、持続的に肥満だった人のリスクよりは低かった(ハザード比[持続的に肥満vs一度も肥満ではない]4.14;95%信頼区間3.57〜4.79)。7歳から成人期初期にかけての体格指数の増加は、7歳当時体重が正常であった男性でさえ、2型糖尿病のリスク増加と関連していた。


【結論】

7歳での小児肥満は、思春期またはそれ以降の年齢まで継続した場合にのみ、成人2型糖尿病のリスク増加と関連している。