研修医の備忘録

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PDA閉鎖のためには高容量イブプロフェン経口投与が有効

Association of Placebo, Indomethacin, Ibuprofen, and Acetaminophen With Closure of Hemodynamically Significant Patent Ductus Arteriosus in Preterm Infants: A Systematic Review and Meta-analysis.

Review article

Mitra S,et al. JAMA. 2018.


【要点】

早産児における動脈管開存症(PDA)の保守的管理に重点が置かれていますが、血行動態的に大きな影響を及ぼしているPDAを発症している患者の治療には、さまざまな薬物療法的介入が使用される。


【目的】

一般的な薬物療法介入によって、血行動態的に大きな影響を及ぼすPDAが閉鎖する、相対的な可能性を推定し、副作用発生率を比較する。


【データソースとその選出】

MEDLINE、Embase、およびCochrane Central Control of Controlled Trialのデータベースをもとに、2017年12月31日に更新された、サービス開始から2015年8月15日まで検のものに加えて、2017年12月までの会議議事録調査した。ランダム化比較試験に含まれたのは、在胎37週未満で、臨床的または心エコー検査で血行動態的に大きな影響があるPDAがあると診断された子供で、経静脈または経口でインドメタシンイブプロフェン、またはアセトアミノフェンを投与された群をそれぞれ比較し、また、プラセボ群、または治療なしの群とも比較した。


【データの抽出と合成】

データは、6人のレビュアー内で組まれた独立した2人組によって抽出され、ベイジアン変量効果ネットワークメタ分析で合成された。


【主要評価項目】

血行動態的に大きな影響を及ぼすPDAの閉鎖。副次評価項目は、外科的閉鎖、死亡、壊死性腸炎、および脳室内出血とした。


【結果】

4802人の幼児を対象とした68のランダム化臨床試験で、14種類のインドメタシンイブプロフェン、またはアセトアミノフェンの治療バリエーションが存在した。全体のPDA閉鎖率は67.4%(幼児4256人中2867人)だった。高用量の経口イブプロフェンは、標準用量の静脈内イブプロフェンに比べてPDA閉鎖のオッズが有意に高く(オッズ比[OR]3.59;95%信頼区間1.64-8.17;絶対リスク差199/1000人[95%信頼区間95-258])、また標準用量の静脈内インドメタシンよりも高かった(OR2.35 [95%信頼区間1.08-5.31];絶対リスク差124/1000人[95%信頼区間14-188])。ランキング統計に基づいて、高用量の経口イブプロフェンは、PDA閉鎖のための最高の薬物療法としてランク付けされ(累積ランキング[SUCRA]曲線下の平均表面0.89 [SD0.12])、そして外科的PDA結紮を防止する最高の薬物療法としてもランク付けされた(平均SUCRA 0.98 [SD0.08])。プラセボ使用または治療なし群における、死亡率、壊死性腸炎、脳室内出血のオッズは、何かしらの治療を実施した群と比較して有意差はなかった。


【結論】

高用量の経口イブプロフェンは、標準用量の静脈内イブプロフェンまたは静脈内インドメタシンと比較して、血行動態的に大きな影響を及ぼしているPDAを高確率で閉鎖した。プラセボまたは無治療は、死亡率、壊死性腸炎、または脳室内出血の可能性を有意に変化させることはなかった。